第8.5話 たぬたぬたぬき
「ぷぷん!!」
謎のたぬき
珍生物達があらわれた!!
「たたかう!!」
草薙はたぬきに攻撃した!!
たぬきにおもっくそビンタする。
「みぎゃーーー」
たぬきが転がった。
草薙は鬼畜である。
珍生物にも容赦なく攻撃するのだ!!
風守神社、鎮守の杜。
魔族を謎の漆黒が滅ぼし尽くした戦いの後、戦場で倒れていた草薙悠弥。
挨拶でくノ一達の乳を揉んだ草薙悠弥。彼は傷を負ったくノ一達と共に
風守の奥にある泉、通称回復の泉に向かっていた。
その回復の泉に向かう道の途中、草薙達は変な生物と出会ってしまったのである。
「ふおおおやめてちょんまげーー」
たぬき達が転がった。ノリがいいたぬきらしい。
「あ、あの珍妙な生き物は!?」
草薙達と珍生物のやりとりをガン無視した早綾が声をあげる。
表れた珍生物。
まるまると太ったたぬきらしき生物だった。
二足歩行と人語をしゃべる事を除いてはまぁだいたい普通のたぬきといって差し支えないだろう。
極めて丸い生物だ。生物としてのバランスがおかしい。アンバランスなのかも
しれない。だが
「それもまた良し!!」
アンバランス、それもまた良しである。
たぬきは丸い。とても丸い!一頭身ではないのかと思うほど
手足が短い。そして丸い!
だがそれもまた良し、と草薙は思う。
「ぷぷんて!!」
人語を介するタイプの理法生物である。
たぬきといっているが形状から鑑みるに非常に、非常に怪しい。
昔からいるタイプの種類だ。人語を使うものの、亜人には分類されない。
くノ一達を襲った凶暴な魔物とも異なる。人に害をなす事は基本的にはないとされる安全な生物である。当然の事ながら、基本として理法生物人語を扱う生物はある程度高等生物と言われているが――
「ふんふんふふ~ん」
やっぱりこいつら高等生物に見えないな、と草薙は思った。
「どんべぇ達でござる!!」
早綾が歓喜の声をあげた。
「でぶーーーーーー」
名作劇場の少女が生き別れのペットに再開したような勢いで、早綾がデブ(どんべぇ)に向かって走り出した。
「ござるーーーー」
「ぐぽーーーーーー」
早綾がたぬきのまるまるとした体にタックルした。
「ぶええぇ!! く、くるしいぽぽん!!」
どんべぇがプルプル震えた。口から変なものがでそうだった。
「い、いけないぞ。早綾。そんなデブデブいって抱きついては」
葉月は半笑いだった。
心なしか体をもじもじさせている、柔らかそうな乳がプルンとゆれる。
葉月は自分の中にある、何か衝動を抑えているようでもあった。葉月もタックるしたいのかもしれない。
「むぽぽぽぽぽ!!」
どんべぇがやばげな声をあげはじめたので、早綾が解放する。
その時だった。
「パンツーーーーーーーーー!!」
そしてダダダっと違うタヌキがはしる!
「なに!あれは!!なにか被ってるぞ」
そのタヌキが頭に何か被っているのを見て、草薙は声をあげた。
「……パ、パンツだと」
草薙は戦慄した。あのタヌキの頭に被っているあれは
あれは――パンツ!!。
「パンツでござる!あのタヌキは頭にパンツを被ってるんでござるよ!!」
早綾が解説してくれた。
「頭にパンツを被ったタヌキだと?変態じゃないか!!」
草薙は歓喜した。
「パンツーーーーーー!!」
パンツを被ったタヌキが叫びながらこっちへ向かってきている
「ホラ見ろやっぱり変態じゃないか!(歓喜)」
草薙が歓喜した。迎え撃つ所存である。
「やぁ、ボクちんべぇ!!」
可愛いく丸い生物が声をあげた。
ちんべぇと名乗るタヌキである。
「パンツ被る?」
「被らないぞ」
草薙は冷たく断った。
「どんべぇさん、ちんべぇさんも、無事だったのですね」
アゲハや下忍くノ一達が、優しくどんべぇに声をかける。その声には、自然の理法生物達をを気遣う感情があった。
「みんなも無事でよかったぽぽん」
どんべぇがほっと息をついた。
どんべぇなりに彼女達を心配していたらしい。
そんなこんなでたぬき達が怪しい踊りを踊りはじめた。
「お祝い~お祝い~」
どんべぇ達が踊りだした。パンツを被ったちんべぇも踊り出す。
「わ~どんべぇ達の怪しい踊りでござる~うひょーーー」
どんべぇ達の怪しい躍り!
早綾の頭が若干やられた。
たぬき躍りである。
「なんか知らんが、たぬきなりに心配してたってこったな。それもまた良し!」
草薙はたぬきの心意気に感心した。
その草薙の言葉にたぬきが感心したようにトコトコ歩いてきた。
「むむん、ちみは!?」
「草薙悠弥ってんだ、宜しく」
目をパチクリさせてどんべヶは草薙を見る。
そしてくノ一に向き直った。
「ねぇねぇくノ一ちゃん!この草薙君はちみ達のコレかい?」
短い小指のようなモノをピンとたてた。動作がオヤジである。
「違うでござるよ~草薙お兄ちゃんは葉月ちゃんをカキタレにしただけでござる~」
「コ、コラ早綾!色々酷いぞ!!」
「ちなみに次はアゲハちゃんでござる」
「えっアゲハめですか!?」
ビクン、とアゲハが反応した。
「コラコラ早綾! 嘘を言ってはいけないぞ!しかも色々ひどい!!」
「え~~でもでも~おっぱいを揉んでたのはマジでござるよ~~」
「にゃにいぃ!パイパイをだってえぇぇ!!」
その時たぬきに電流はしる!
おっぱいを揉んだという言葉に反応したのだ。
ドドドっと悠弥の元に駆け寄った。
「し、師匠ってよんでいいかい!!悠ちゃん!!」
どんべぇが真剣な目で草薙を見た。
「道は険しいぞ」
「うひょーーーぱぺらっちょーーーー!」
どんべぇが飛び上がった。
ちんべぇが草薙の近くにやってくる。
「ちみやるねぇ~~パンツ被る?」
「被らないぞ」
危なくパンツ被せられるところだった。ちんべぇ、油断ならぬたぬきである。
「やばいわね……変態と変態が出会ってしまったわ……」
早い内に消さないと、そんなラムの言葉が聞こえたが、なんか怖かったので
聞かなかった事にする草薙である。
ただ、タヌキはくノ一達を見て喜びの笑顔を浮かべる。
「ともあれ無事な人が多くて嬉しいぽぽん」
「わぁ~お祝いありがとうでござる~うひょーーー」
早綾のテンションが上がった。
「よかったねぇ~~早綾ちゃん、パンツ被る?」
「被らないでござるよ」
早綾のテンションが素に戻った。
「全く変態たぬきですな!……まぁあのどんべぇとちんべぇにしてはよくやった
ほうじゃないのかですかな」
もう一匹たぬきがあらわれた。
「たぬきの分際でメガネかけてやがる」
縁の深いべん○○さんみたいな眼鏡をかけたタヌキがヌっとあらわれた。
「あれは、てんべぇでござる!!」てんべぇはたぬきの癖にいつも上から目線なのでござるよ?」
「ふふ、you達はいつも頑張っていますな。まぁそれなりに頑張ったと認め上げますぞ」
「なにこのべん○? 眼鏡叩き割るわよ」
「やめていただきたい!この野蛮人め!まったくこれだから人間は野蛮なのです!」
お前野生だろと、メガネたぬきに思う草薙であった。
「この弁蔵
「失敬な。あなた達の記録写真を盗撮してお金を稼いだだけですぞ」
「うん、雷落とすわ。鉄拳のね」
「やめていただきたい!暴力的ですぞ!ぐわーーー」
ラムがてんべぇの眼鏡を叩き割っていた。
ラムさん割とマジでサイコだなと草薙は思った。
「あいとわあぁあああ!!」
てんべぇが派手に転び絶叫する。しかし
「くっ、こうなったら……こうなったらかえのメガネを装着!」
とスチャっと眼鏡をかけた
「てんべぇの百円ショップより安いでござる。目に怪我しないように割ってるんでござる。ラムちゃんってとっても優しいでござるね!」
「狂ってやがる!ヒート!」
草薙は言った。
「珍妙なたぬき達だが――それもまた良し」
ただ、なんだかんだで風守の人間を心配してこのどんべぇは来たのである。
「ボキ達が力になるぽぽよくノ一ちゃん達」
どんべぇがドンっと丸い胸をたたいた。
「ふふ、ありがとうございますどんべぇさん」
くノ一達がたぬき達に笑顔を向けた。優しくなんのてらいもない微笑み。
世間では営業スマイルという。「うひょーーー!」
たぬきが興奮する。だがそれもわからぬでもない。
下忍くノ一達は巨乳美女が多い。巨乳軍団といっていいだろう。
「むふふふ~~ん」
たゆんたゆん、揺れるくノ一達の胸を見てたぬき達がたいそう幸せな顔をした。
ドスケベである。
「むほほほほ、くノ一ちゃん達は相変わらずいいおっぱいしてますなぁ~むほほほ」
下忍くノ一達の胸を見て、どんべぇはそんな事をのたまった。
「えっ!? あっ……その……」
いきなりのどんべぇのセクハラ発言に、下忍くノ一達は下を向く。
「いきなりセクハラかよ…………まったくとんでもねぇ野郎だな…………」
「あんた鏡って知ってる?」
草薙の発言にラムが遺憾の意を表明した。
「たゆんたゆんじゃぬわいですかぁ」
両手を広げて
丸々とした、たぬきの顔がぱぁと一際明るくなる。たぬきはたいそう幸せそうだった。
「うおおおおおおおお」
草薙がたぬきに攻撃した!!
「ほげええええ」
たぬきがふっとんだ。
「でぶーーーーーー!!」
早綾が叫んだ。
「セクハラばっかりしちゃダメだぞ☆」
「だからあんたがいうなってんでしょうがぁぁぁーーーー!!」
「おもももも!!」
デブのどんべぇ!
頭にパンツを被ったちんべぇ!
上から目線のビン底メガネのてんべぇ!
「ほげーーーーーーーー!!」
愉快なマスコット達があらわれたのであった。
完
関連リンク