第10話エクストラ だが断らない
「改めて、風守におこしいただいてありがとうございます、草薙様」
ズラリ、何人もの下忍くノ一達が並んでいる。
ボイン
ボイン
ボイン。
「私め達風守の下忍くノ一一同、草薙様が来て頂いて嬉しく思っていますよ」
ブルン
タプン。
巨乳軍団、であった。
(凄いぞ!色々と!!)
思わず草薙は目を奪われてしまう。
「――私め達が」
「――あなた様を」
「――歓迎致します」
ニコリ、と女達が笑う。
厚意に満ちた美しい顔立ちに
肉感的な体。
(ここは日本の天国か!)
草薙がそう思った。この場所でそう思わせてくれた事が草薙にとって実に嬉しい事だった。
「この風守は日本人に優しい神社だからな。
日本人だと誰でも嬉しい、というわけだ」
「ふふっ」
草薙の言葉を受け、くノ一が艶然と微笑む。意味深な微笑みだった。
「それもまた良し」
草薙がガハハと笑った。
人に尽くすという彼女達の心根に
大きな嘘はないのだろうと、草薙は感じた。
「草薙様……私め達がお相手致しますよ」
「興奮してるぞ」
草薙は正直に言った。
「あらあらっ」
ポカン、と口を開けた。色気のあるお姉さんというくノ一達だが
その表情が妙に可愛く思えた。
「草薙様は正直なのですね」
「美女には弱いんだ」
草薙の言葉にクスリと笑った。
「気にする事はありませんよ、草薙様」
くノ一達はクスリと笑い距離をつめた。
たくさんのくノ一達の中には、四つん這いになっている者もいた。
女豹のような扇情的なポーズで迫ってくるくノ一もいる。
ムチムチと、肉がパンパンに詰まったお尻が見えた。
ムンムンと、色気を放つたくさんのくノ一達が草薙に近づく。
ボヨン
豊満な胸があたる。
(おい!いまボヨンとしたぞ!ボヨンって!)
草薙は昂ぶった。
「興奮している!!」
草薙は大事な事なので二回言った。
そんな草薙にくノ一達はくすりと笑う。
そして、くノ一達は上目遣いで草薙を見た。
「私め達も……興奮しているのかもしれません」
「そりゃぁ……興味深いな」
草薙が理由を問うようにくノ一に目をやった。
「私め達は草薙様に興味がありますので」」
そこで一人のくノ一が体を密着してきた。
「…………」
正直興奮している。
「本当の理由、言っていいぞ」
草薙はくノ一を真っ直ぐ見た。
本音をしゃべっていい、と草薙は促す。
「草薙様……」
意外に思ったのかくノ一が草薙を見返した。
「……いいたくなきゃいいけどな、俺も人の事はいえねぇし」
草薙の言葉に彼女達は一瞬、躊躇したようだった。
風向きが変わった、と草薙は感じた。
「……先程私め達は魔族は殺されかけました…………」
草薙はその言葉を黙って聞いた。
「死に瀕すると、生殖本能が盛んになるといいます」
「穏やかじゃないな。最もその話は俗説っちゃあ俗説か」
「私め達はそう思っています。……実感もしています」
「そうだな、俺も否定はしないよ」
くノ一達の言葉には真実の響きがあった。
誘惑する彼女達の所作は演技でも、魔族に殺されかけた恐怖は本物だと草薙は理解した。
「葉月がいっていた……魔族を倒した漆黒。彼の者の存在がなければ私め達は今この場にいる事は叶わなかったでしょう」
「あの魔族は明らかに……尋常ではありませんでした……」
くノ一が震える。
「漆黒が魔族を倒していなければ……私め達は地獄をみて……きっと悲惨なをしていたでしょう……言語を絶するほどの」
「…………」
草薙は否定しない。
「魔族を倒した漆黒。彼の者の存在がなければ私め達は今この場にいる事は叶わなかったでしょう」
くノ一達は真っ直ぐ草薙の目を見た。
「あの戦場にいた草薙様は何か知っているのではないですか」
懇願のような真剣な瞳。
彼女達は言外に告げていた
――漆黒の正体は草薙悠弥なのではないか、と。
「俺は只の日本人だ。あなた達が期待するようなもんじゃない」
草薙はそう告げた。
「そうですか」
くノ一達は少し寂しそうに微笑んだ。
「……」
草薙の心に微かなさざ波が立った。
だがくノ一は草薙の言葉を予想していたかのように体を寄せてくる。
「草薙様がそうおっしゃるのであればそれでも構いません……ですから……」
くノ一達はすぐに艶然とした表情に戻った。
「私め達に草薙様の事を教えてほしいのです」
誘惑。それは彼女達くノ一が情報を聞き出す非常に有効な手段。
つまり裏があるのだ。しかし――
――ボイン
――パフン
――プルン
今にもまろびでそうな豊満な胸。
(なんて魅力的なんだぁ!!)
裏がある――それもまた良し!!
ムンムンと、色香が扇情的な姿を披露している。今は平時ではない。だが彼女達とて焦っている。
彼女達が明らかな思惑がある事は理解できた。
狙いがある。思惑がある。それをしりながら下忍くノ一達の魅了攻撃に、誘惑に乗るのは愚の骨頂である
「――だが断らない!」
「!?」
「く、草薙様!?」
くノ一達が一様に驚く。あまりの堂々とした誘惑へのノリっぷりに
気圧されたようだ。
愚か者――それもまた良し!!
人に馬鹿といわれようとそんなものは気にしない。
なぜなら――
「そこにおっぱいがあるのだから!!」
くわっと草薙悠弥が目を見開いた。見開いた目は一心に見ていた――おっぱいを!
「はっはい!!」
パフパフくノ一(仮名)の顔に焦りが浮かんだ。
先ほどまで魅惑の表情を浮かべていた美女が焦った表情が
なんか可愛かった。
(これは萌える!)
魅了するお姉さんが焦った顔は興奮します。逆転のよろこびであろう。大人っぽいお姉さんが「あっまずいかも」と焦った時の顔はいい。
変態?違うさカルチャーさ。
草薙は一歩踏み出す。
もはや迷いはない。
「ふふっ……それでは私め達がお相手致しますね」
一瞬焦りを見せたくノ一達は誘惑者の顔になっていた。
本来彼女達はそれを望んでいるのだから当然といえば当然である。
「一人ずつでも、同時にでも。草薙様のお好きな方をどうぞ」
思惑がある。
狙いがある。
くノ一達の誘惑攻撃。
――だが断らない
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