だけど気にしない、というのはどうでしょうかと癒す娘

だけど気にしないというのはどうでしょうかと癒す娘

「こんにちは。調子はどうですか?」

<命>が透明な微笑みを向けてきた。

俺は色々な事が気にしなってしまう悩みがある旨を彼女に伝えた

彼女は黙って俺の話を聞いてくれた

「わかりました……あなたは今日も頑張っているのですね」

彼女は優しく日本人の俺の腕を握った。
もう一声!、と俺は注文した。
「は、はい……!?」
彼女は一瞬驚いた焦りの顔を見せた。焦った顔もなんか可愛い感じである。

「あなたはとても偉いです!凄いですよ!!」
ぐっと手を握り
少女は少し力みながら俺に言った。
<命>必死だな。
今日も必死に励ましてくれる。いい娘である。

「えと、宜しいでしょうか」
少し自信なさげに<命>が聞いてきたので、大丈夫な旨を伝えた。

「あなたは少し気になってしまう時がある、といっていましたがそういう時の対処方法を…………ある方がいっていました」
<命>は複雑な感情を宿した瞳でと俺の方を見て言った。

「だけど気にしない、という事を」
多分いい方は違うんだろうが、彼女なりに柔らかく言い直したんだろうなと思った。
「だけど気にしないというのはどうでしょうか」
「あえて気にしないという心の在り方。それを心がけ心を良き状態に保つ事だとあの方は言っていました」
彼女が透明な水が染み渡る様に言った。ただその後、彼女は少し恥ずかしそうに言葉を続ける。
「お恥ずかしながら……私は色々な事が気になってしまうのですが」

少し照れたように顔を赤らめ彼女は続けた。気の優しい彼女らしい

「でもあえて物事を気にしないという考えもいいのだと思います」

「そう私に教えてくれた方はとても優しい方でした」
「私は思うんです……その分自分が思いたい事や、求めている事を想う事ができる。たいせつな人を想う事ができるのかもしれないと」
彼女は透水のように微笑んだ。

「あなたにとって大事な事をきにかけてあげてくださいね」

「あなたに思われる人はきっと幸せだと思います」
彼女は優しく微笑んだ
「例えそれがこの世にないものでも…………幸せだと……そう思います」
少し、儚げな微笑みだった。

「あなたの心にとって良き事がありますように」
確かな祈りを込めて少女は言葉を紡いだ。
――今日もあなたの心が平和でありますように

少女の祈りに、心が水のように潤った気がした。

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