あなたはあなたの知らない所で誰かを幸せにしていると褒める娘

あなたはあなたの知らない所で誰かを幸せにしていますと褒める娘

 

「あなたはあなたの知らないうちに誰かを幸せにしています」
少女は優しく包み込むように言葉を紡いだ。彼女は今日も優しく人を肯定する。

「この考えは………」…

彼女は一瞬俺を見た。
一瞬、しゅんじゅんの表情を見せる。

「ある人に教えてもらったんです」

花が綻ぶような笑顔でそう言った。

「えと、その……例えばですが……あなたがお米を食べるとお米を作ってくれた人は喜びます。
物語を読むためにそれがのったものを購入すると、物語を書いた人は喜ぶのではないでしょうか」
「あなたがご自分のためにとったなにげない行動が人を幸せにする事はらくさんあるのですよ」
「あなたは今この時も誰かを幸せにしています」

「少なくとも私はあなたのおかげで今幸せですよ」

「こうやってあなたがここに来てくれるだけで……私は嬉しいです」
「もちろん、あなたにそういう意志がないかもしれません。それでも私は今あなたが来てくれた事を幸せに思います。今あなたの存在が私を幸せにしてくれています」

「不安になった時やご自分に自信がない時、は思い出してくれると嬉しいです」

<命>はなんでもない事でも、相手を肯定する。この娘は心地いいと思った

「時々でいいので思い出してあげてください」
太陽の様に少女は微笑んだ。

「あなたはあなたの知らない所で誰かを幸せにしているのですよ」

緩やかな風が凪ぐ中、彼女は肯定の言葉を紡ぐ。
彼女の優しさが伝わってくる。
緩み広がる穏やかな空気に心れが癒されていく事を俺は感じでいた

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