疲れた日本人のあなたを慰める<命>
「こんにちは。今日はどうなされたのですか?
……少し、お疲れのようですね」
「疲れた、辛い。ですか」
「無理もありません。あなたはいつも頑張っているのですから」
「大丈夫、大丈夫ですよ。私はいつでもあなたの味方です。
ここでゆっくりしていってくださいね」
俺は彼女の近くでしばらく何もせずに時間を過ごした。
落ち着いた頃、<命>は俺に優しく微笑みかけた。
「……私で宜しければお話しください。」
「――言えると癒える。そういう言葉があります。
あなたの心を私に出してください。
心の中にあるものを誰かに話す事で少しでもあなたの心の傷が癒えるのなら……
どうか私にお話してください」
「大丈夫です、あなたがどんな事を言っても私は日本人のあなたの味方です。
嫌いになったりも拒否したりも致しません。私の事は構わず、どうかあなたはご自分が
楽になる事を考えてください」
「ご自分の事を大事に、です。
大丈夫です弱音をいうのは全く恥ずかしい事ではありません。
人に言うのもそれも勇気です」
「どうかご自分に優しくしてあげてくださいね。
あなたは十分頑張っているのですから。
疲れるまで我慢して無理をして……それでもあなたは頑張っている。
そんなあなたが言う事です。駄目な事などあるはずがありません。愚痴を言っても弱音を言ってもいいんです」
「私は日本人のあなたの味方です。
どうか私に言ってください。
あなたの苦しみを。
あなたの悲しみを。
あなたの内に溜まったものを出してください。
あなたが吐き出すものがどんなものであろうと、私がしっかり受け止めますから」
命が微笑んだ。
「言えると癒える、ですよ。さぁ、どうか私にお話ください」
全てを包み込むような優しい微笑みだった。
「大丈夫、大丈夫ですよ」
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