オタク、素晴らしいじゃねぇか

風のように自由

オタク、素晴らしいじゃねぇか

草薙悠弥

 

「オタク、 素晴らしいじゃねぇか」

「趣味がアニメ、漫画、ゲーム。大いにいいとも」

「世間が理解を示さずともそんなものは関係ない。少なくとも俺は理解を示す。いや俺の理解の有無などどうでもいいだろう。
伝えたいのは、君の好きなものは恥ずかしいものでは断じて無いという事だ」

「君が好きな趣味は素晴らしいんだ。それがどんなジャンルのものでも」

「アニメや漫画、ゲームは日本が誇る文化だからな。世界から見て表現の自由もある。
この表現の自由は本当に素晴らしい」

「それにアニメや漫画、ゲームが好きという事。それは自分を信じているという事だと、俺は思う」

「だってそうだろう。マスコミが仕掛けた流行や、戦略にのらず
自分の好きなものを好きという。無論、はやりものに乗っかるのもそれもまた良しだ」

「オタクは経済を回している、これは一面の真実だと俺は思う」

「物を買わなければ経済は成り立たない。っといっても俺は貧乏性で安く済ませるのが好きなんだけどな。
同時に自分の好きなものに金をかけるオタクは大したもんだと思うし、実際経済を支えている面もあるだろう」

「タダで楽しむのもいいが、金を出してかうのはやっぱ重要さ。だが消費オタク、大いに素晴らしいとも」

「そういうのも面白いというものを作り出す表現者も、もちろん素晴らしい。実際何かを作るというのは大変な
事だ。どんな形であれ人が楽しめる者を作る表現者は凄い。尊敬に値するとも」

「多少行き過ぎたエログロや表現の行き過ぎなどそれに比べれれば些細な事だ」

「そして表現者を支えるのはオタクというものだ」

「かくいう俺もオタクでな。深夜にやってるエロばりばりのものだろうが素晴らしい。
やはり娯楽やコンテンツに力を入れてる国はいい国だ」

「少し古い時代の話だが、料理が美味い国は良い国だという考えがあった。
昔の時代はあちこち戦争をやっていただろう? 大変な時代だったからな。
だから料理を美味くするという余裕があまりなかったんだな。料理が美味い国は平和で心が豊かという事の証左、って説だ。まぁ無論例外もわんさかあったが」

「これは所轄アニメや漫画などのコンテンツ産業にも通じる話だと、俺は思う」

「アニメや漫画、娯楽が多い国はいい国だよ。心が豊かな証拠だと俺は思うんだ。
表現の自由が許されるのも、心が豊かな証拠だ。心が良い国は良い国さ 」

「君たちオタクはその良い国の良い面を支えている。自信を持つといい」

「無論海外にもコンテンツ文化はある」

「それはそれで素晴らしい。
だけど、俺はやはり日本のオタク文化、コンテンツ文化が好きだな」

「主な要因はエロい事だ!!エロいのは素晴らしいとも!!!
表現の自由最強だぞ!!」

「あとは、そうだな。俺の個人的な所感だが」
日本のコンテンツは根底に優しさがあるような気がする」

「戦いが入った物語であれ、どこか平和の空気が流れているというかな。無論海外にもそういうのはあるが、日本のコンテンツ特有の安心感があるものが多い……それが心地良いんだな」

「無論人によって好き嫌いはあるだろう。だが俺は日本のコンテンツがどこか平和な空気を含んでいるものが多い事が俺は素晴らしいと思う」

「特に大人は疲れているからな。現実で疲れて大変なのに、架空の世界でも殺伐としていたら疲れてしまうだろう。日々を汗をかいて頑張り、現実の大変さや不条理を知っている。だからこそ漫画、アニメ、ゲームは優しいものを好むのだろう」

「アニメや漫画、ゲームは日々頑張っている人間を応援している」

正直、素晴らしいという他ない

「日本の文化は素晴らしいと思う。だから堂々とするのがいいとも」

「無論、君がオタク趣味を隠したいのならそれも良いだろう。
不思議な力を持った一族が神秘を秘匿するのを是とした如く『オタク趣味これ秘するべし』と考えるならそれもまた良しだ」

「君が良いと思った趣味を良いと思ったやり方で楽しむといい」

「俺もそうしている。いいぞ、気楽で」

「確かなのは熱中できる趣味があるのは素晴らしいという事だ」

「国民が皆好きな事に熱中できる国はいい国だ」

「そして、好きな事に熱中できる人生はいい人生だ」

「好きな事に熱中できるオタク。素晴らしいじゃねぇか。なんであれ、趣味に没頭する一生は
素晴らしいとも」

「心は自由だ。今日も君のしたいまま、好きなものに真っ直ぐであると良い」

「オタクである事を無理に誇るでもなく、もちろん卑下するまでもなく。堂々と。
自分のあるがままでいい」

「人生の最期まで自分の好きな事をできる人生は良い人生だ。
オタクとして生きオタクとして死ぬ。素晴らしい事だとも」

「一生オタクである事――それもまた良し」