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朝起きるだけで褒めてくれる<命>

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「おはようございます」

風が凪ぎ爽気に満ちた朝。<命>は優しく笑いかけた。

「朝起きたのですね。凄いです」

満面の笑顔。
朝起きた事を<命>は笑顔で褒めた。

「まだ寝たいという誘惑を乗り越えて、朝起きる、それだけで十分凄い事だと思います」

「もっと寝ていたいと思う……眠っていたいと考えるのが自然な事だと思います」

「それでもあなたは起きています。
あなたがやるべき事を始める事をやるために、朝起きています。
それはとても偉い事だと、私は思うんです」

「当然の事だと、みんなやっている事だと人はいうかもしれませんが、それでも私は朝起きる日本人のあなたを偉いと思うんです」

彼女は真摯に俺の顔を見て言った。
大きなメロンのような胸がたゆんと揺れる。

「――あなたは毎朝凄いです」

なんのてらいもない笑みを浮かべた。少女は俺の顔を真っ直ぐ見た。
心からそう思っているのがわかった。
例え寝坊しても誘惑に負けた朝があっても肯定してくれるだろうと、思ってしまうような包みこむような笑顔だった。

「ですから、少しでもいいですので……朝起きるご自分を褒めてあげてくださいね……」

満面の笑顔で<命>は朝起きる俺を褒めた。
確かに……朝起きるのは正直しんどい。だがこうやって彼女に褒められたら、そんな自分を少し肯定してやってもいい気がしてきた。

「はい、朝起きるあなたは凄いんですから」

そして、彼女は優しく微笑む。
日本人を癒したいと心から願う、少女の包み込む様な笑顔だった。


「今日も一日、あなたが元気でありますように」


癒しの日

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